蜜柑のプロジェクトverβ

シホンシュギ、ヒャハー

山之内(1996)

山之内靖/成田龍一・大内裕和(聞き手)「インタビュー:総力戦・国民国家・システム社会」『現代思想』1996、6


総力戦体制の問い直しは<経済>の領域からはじまった。
野口悠紀雄1940年体制』(1995)
岡崎哲二
佐口和郎


●野口/山之内:総力戦体制に関する相違10-11
野口…総力戦体制を日本の経済システムの特殊性・異質性でもって説明。その解決策は、アメリカ的体制への改革、合理化。
山之内ファシズム体制とニューディール体制を強制的均一化として同様なものとしてみる。根本的な経済システムの変更、組みなおし。


●なぜ総力戦体制を問い直すのか?
①産業構造の転換:重化学工業・機械工業→情報化社会へ
②情報化社会による国境を越えた多国籍企業体の展開…国民国家という枠組みのゆらぎと組み替え

・不可逆的な過程としての戦前・戦後

ここではっきり強調したいのは、戦時動員体制によって培われてきた「階級社会からシステム社会への移行」は、これ自体は不可逆的な過程なのであって、「戦時期に異様なシステムが作り出されたのであって、戦前のノーマルな体制に戻るべきである」とか、あるいは「欧米社会は到達すべき1つのモデルなのであって、そこに近づいていくかたちで規制緩和が考えられるべきである」というような、そういう安易な発想は問題の本質を捉えることにならないだろうということです。pp.18-19


●「現代化」について
二項対立的思考を排除するため


●主体の位置
現代社会では第二級、第三級の市民として押しとどめられている様々な<主体>が、自分たちの一級市民としての正当性・権利を主張する運動を繰り返している。
…絶えず社会に豊かな資源配分を要求する、際限ないパイの拡大。
→19世紀的な社会理論が根本に置いてきた人権概念、その人権概念に出発する主体概念の正当性・根拠への疑い。29

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