蜜柑のプロジェクトverβ

シホンシュギ、ヒャハー

「戦時期日本の社会思想―現代化と戦時変革―」『思想』1997、12

戦時期日本の社会思想を分析するには、日中関係の変容と国内の社会変革とを連動させ、立体的にとらえる視座が必要なのである。そして、アジア・太平洋戦争が、侵略とアジア解放との二重性をはらんでいたことも、こうした問題の延長上において分析しうる。日中戦争、そしてアジア・太平洋戦争は、まさにアジアの変革の一環としてとらえられねばならない。p70

―国内(内部)-国外(外部)の連続性、右/左という境界の消滅



●注釈における山之内への言及
一国主義への批判

…そこでは国民国家単位のシステム統合の強化に関心が寄せられている。そのためアジアの脱植民地化をはらむ世界秩序全体の転換という視座は欠落しており、国家単位での社会構成体の新たな発展段階を並列させるものとなってしまっている。このような枠組みでは、アジアの脱植民地化に応じて国民国家を超える広域圏を形成しようとした東亜協同体論など、戦時期の重要な言説の多くについて、適切な分析をおこなうことができない。p107

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