蜜柑のプロジェクトverβ

シホンシュギ、ヒャハー

都市計画―成長管理

町村敬志「都市の計画と再生」、町村敬志西澤晃彦『都市の社会学有斐閣、2000

現在注目を集めている考え方の1つに、成長管理という発想がある。成長管理とは、無秩序な都市拡大や、人口増加を抑える手段として開発の総量や速度じたいを規制していく手法である。成長管理という発想は、第1に、単純な成長至上志向に陥りやすかった従来の都市計画に反省を促すものとして、第2に、個別地区のゾーニング(土地利用規制)に限定されがちだった都市計画にマスタープラン(総合的基本計画)の発想を再生させるものとして、大きな意義を持つ。都市計画において成長管理的な考え方が生まれてきたのはもともと、良好な住環境を誇る1970年代のアメリカ郊外都市においてであった。そこでめざされたのは、上下水道や道路、学校など社会資本負担の急激な増加を抑え、混雑現象を避けるため、住宅開発の総量を抑制することだった。その後、成長管理の考え方は都心部にも応用され、無秩序な高層化に歯止めをかける手法としても利用された。同じ頃日本でも、郊外都市を中心に無秩序な住宅建設を抑制する自治体の取り組みが、開発指導要綱による行政指導というかたちではじまった。もっとも、成長管理という手法には隠れた逆機能も存在する。すなわち現存する良好な環境を守るために成長管理を進めることは、結果的に、既得権益を持っている集団や個人の生活環境を優先的に守る反面、他者の流入を排除してしまう効果を持ちやすい。…いいかえると、すでに存在している不平等を固定化する手段にもなりかねない。そのため、成長管理製政策は一方で多くの批判にさらされてきた。現在では成長管理の政策内容はより総合的なものへと変化してきている。すなわち、環境、社会的公正、財政など各面での悪影響が最小になるように、成長速度を調整し開発行為を再配置する一連のプログラムがそこには盛り込まれるようになった。この中には、低所得者住宅地区でのアフォーダブル住宅(入居可能な家賃が設定された住宅)建設や都心衰退地域での経済開発などが含まれる。(pp.315-316)

〜〜〜参照:大野輝之『現代アメリカ都市計画――土地利用規制の静かな革命』学芸出版社、1997


都市計画:ゾーニングとマスタープラン
     …効果:管理と排除
 ――起源:1970年代アメリカ     
⇒日本ではいつ、誰によって、どのような目的ではじまったのか?:日本における起源
 現在までに都市計画は変容したのか?:日本における変容



都市計画と参加-動員について
〜〜中野敏男「ボランティア動員型市民社会論の陥穽」『現代思想青土社、1999、5



??成長速度を調整し開発行為を再配置する一連のプログラム??